株価とニュース

●株価はニュースで動く

毎日の企業ニュースの中には株価に影響する情報が多く含まれています。
株式投資家はこういった情報を得ることで株価が上がるか下がるかを予測します。

会社の良い印象のニュースが流れると株価が上がると予測され、
投資家はその企業株の買い注文を出します。

逆に悪い印象のニュースが流れると株価が下がると予測され、
株が買われなくなるか売りに出されます。

ニュースが流れると同時に株価は変動しますので、
情報をいち早くつかみ投資行動に反映させるかがカギとなります。





●どんなニュースが株価に影響を与えるのか

次は、様々なニュースの中からどういった情報に目を向ければ良いか、
７項目にまとめました。


１）業績予測

企業が発信する情報で"業績予測"があります。

・売上高

・営業利益（売上総利益から販売費及び一般管理費を差し引いた利益のこと。）

・経常利益（通常の事業活動から得られる、損益を計算したもの。）

・純利益（経常利益から、特別損益と法人税などの税金を差引いて残った最終利益。）

これらが前年同期比に対しどう変化するかがニュースとして流れます。
値が伸びていれば株価はプラスに働き、そうでない場合はマイナスに働きます。



２）企業決済

企業は4月1日から3月31日までを1年とした、各期間ごとの経営成績や財務状況を発表します。

・第1四半期業績（4月から6月までの収支）

・中間決済（7月から9月までの収支と、4月から9月までの収支）

・第3四半期業績（10～12月までの収支と4月から12月までの収支）

・本決済（1月から3月までの収支と、4月から3月までの1年間の収支）

決済は遅くとも各月の45日後までに発表されます。



３）業績予想

本決済後、企業は今後1年間の業績予測を行います。
その内容が良ければ株価は上がり、悪ければ株価は下がります。

しかし業績予測はその時点での推測に過ぎませんので、
事業の進捗状況によって修正される場合があります。

当初の予測より業績が上向く場合は"上方修正"を行い、逆の場合は"下方修正"されます。企業はこういった修正発表が義務付けられていますので、見逃さないようにすることが必要です。



４）新製品発表

企業はどのような新製品を開発するかの情報や、新商品が発売される時は発売前に発表を行います。
これが業績に大きく影響を与えるニュースであればそのまま株価に反映されます。

しかし気をつけなければいけないのは、新製品が発売されるからといっても必ずしも株価が上がるとは限らないことです。

例えば、売上予測がそれほど大きくない場合や、企業の年間売上のほんの一部にすぎない場合は投資家から敬遠され、株価が上がらないケースがあるからです。

よって、その新製品が企業にとってどのような位置付けにされていて、
どれくらい消費者に受け入れられるものなのかを予測する必要が出てきます。



５）新規事業発表

企業は今後伸びるであろう事業に進出する場合は、その情報を開示することがあります。

最近では太陽電池や水処理などの省エネや環境関連事業や、東南アジアなどの新興国への進出に目を向ける企業が増えています。

こういったニュースは投資対象になりますが、その新規事業が収益に結びつくかどうか
を見極める必要があります。

話題性だけでなく、市場規模や売上予測の情報も同時に把握しておけば買いかどうかの
判断材料となります。



６）人員削減や事業再構築

景気が悪化するとよく流れる情報が、人員削減などのリストラや事業の見直しに伴う再編です。一見、こういったニュースはマイナスイメージがあるので株価はマイナスに働くと考えられがちです。

しかし、企業がこういったことを通じて体質改善し業績が上向くと判断された場合は、
逆に株価が上昇することがあります。

逆に、苦し紛れの体質改善とみられる場合は当然株価は下がりますので、
人員削減や事業再構築の情報は今後の事業展開に与える影響をきちんと判断する必要があります。



７）経営者の交代

会社の状況により会長・社長が交代する時も株価が変わるケースがあります。

例えば業績を回復してくれると期待される人物であれば株価は上がると予測され、
逆にカリスマ的経営者が一線を退く場合は、株価が下がる場合もあります。

どういった考えを持った経営者がトップに立つか。
その期待感が株価を左右すると言えます。